『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』の公開で幕を開けた2015年の全米サマーシーズン。上位作品はほぼ予想通りの顔ぶれとなったが、『テッド2』『ファンタスティック・フォー』『ピクセルズ』『マジック・マイクXXL』など、期待された興収をあげられなかった作品も多く、『ターミネーター:新起動/ジェニシス』もそのひとつに挙げられるかもしれない。
ただし、全米ランキングでは14位に終わった『ターミネーター:新起動/ジェニシス』は全世界興収では7位につけるほど米国外で稼いでおり、プロモーションに巨額を費やし赤字になったのが残念なところ…。
2015年の全米サマーシーズン興行収入ランキングは以下の通り。
(興行収入は2015年10月29日現在の集計)
1位『ジュラシック・ワールド』
1993年の『ジュラシック・パーク』から続くシリーズ第4弾。
公開前から大ヒット間違いなしと言われる期待作だったが、いざ公開されると予想を遥かに上回る大ヒットを記録。映画史の歴代記録を次々と塗り替え、全米歴代興収ランキングで『アバター』『タイタニック』に次ぐ3位まで上り詰めた。
全米興行収入:6億5173万ドル(歴代3位)
全世界興行収入:16億6573万ドル(歴代3位)
2位『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』
マーベルコミックスのヒーローが集結した『アベンジャーズ』シリーズ第2弾。
オープニング興収では歴代2位の発進を見せるも、シリーズ前作の6億2335万ドルを大きく下回る4億5901万ドルの興収で公開を終えた。それでも全米歴代興収ランキングでは8位につけており、これだけ稼げば十分すぎるほどの大ヒットといえるだろう。
全米興行収入:4億5901万ドル(歴代8位)
全世界興行収入:14億281万ドル(歴代6位)
3位『インサイド・ヘッド』
人間が抱く感情を擬人化したキャラクターたちが、11歳の少女の頭の中で活躍する姿を描いたディズニー/ピクサーによる3D-CG長編アニメ。
オープニング成績では完全オリジナル作品として歴代No.1のスタートを記録。その後も息の長い興行を続け、クオリティ面でも興行面でも大成功を収めた。
全米興行収入:3億5532万ドル(歴代29位)
全世界興行収入:8億4222万ドル(歴代44位)
4位『ミニオンズ』
『怪盗グルー』シリーズに登場するミニオンたちを主人公にしたイルミネーション・エンターテインメントの3D-CG長編アニメ。
公開初日にあげた4604万ドルの興収はアニメ映画史上最高の成績となり、オープニング成績では『シュレック3』に次ぐアニメ映画歴代2位の記録を残した。
全米興行収入:3億3482万ドル(歴代36位)
全世界興行収入:11億5436万ドル(歴代10位)
5位『ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション』
トム・クルーズの大ヒットスパイ・アクション『ミッション:インポッシブル』シリーズの第5弾。
スパイ・アクションの面白さが詰まった本作は、批評家、観客ともに絶賛で迎えられ、シリーズ最高の評判にふさわしい大ヒットを記録。
全米興行収入:1億9502万ドル
全世界興行収入:6億8212万ドル
6位『ピッチ・パーフェクト2』
2012年に公開され、その面白さが口コミで広がり世界中で社会現象を巻き起こした青春ミュージカル『ピッチ・パーフェクト』の続編。
前作同様、多くの女性ファンを取り込み、同日公開だった『マッドマックス 怒りのデス・ロード』を大きく引き離して圧倒的な人気を見せつけた。
作品と合わせてサントラ盤も大ヒットし、早くも『ピッチ・パーフェクト3』の製作も発表されている。
全米興行収入:1億8379万ドル
全世界興行収入:2億8517万ドル
7位『アントマン』
仕事も家庭もうまくいかないダメ男が、身長わずか1.5cmのヒーローとなって活躍するマーベル・スタジオ作品。
マーベル・シネマティック・ユニバースのなかでは『インクレディブル・ハルク』に次ぐ低調なスタートとなったものの、作品の評価は上々で、その後の興行では大健闘と称えられるほどの数字を残した。
全米興行収入:1億7909万ドル
全世界興行収入:5億71万ドル
8位『ストレイト・アウタ・コンプトン』
アメリカのヒップホップを代表する伝説的グループ、N.W.A.の伝記映画。
週末ランキングでは3週連続でNo.1を獲得し、2900万ドルといわれる製作費をあっさりと回収。音楽伝記映画として歴代1位の興収記録を更新中。
全米興行収入:1億6106万ドル
全世界興行収入:1億9959万ドル
9位『カリフォルニア・ダウン』
ドウェイン・ジョンソン主演の大地震ディザスター映画。
高い評価を得られないまでもドウェイン・ジョンソンの人気とド派手な特殊効果により予想以上の大ヒットを記録。ドウェイン・ジョンソン主演作として最高の興収を叩き出した。
全米興行収入:1億5519万ドル
全世界興行収入:4億7049万ドル
10位『マッド・マックス 怒りのデス・ロード』
主演をメル・ギブソンからトム・ハーディに代えて30年ぶりに製作された『マッド・マックス』シリーズの第4弾。
週末ランキングでは2位スタートとなったものの、批評家、観客ともに驚異的な高評価を獲得し、文句なしの興行を展開した。
全米興行収入:1億5364万ドル
全世界興行収入:3億7474万ドル
11位『Spy(原題)』
メリッサ・マッカーシー主演のスパイ・コメディ。
主人公と同僚のCIAエージェント役を演じたジェイソン・ステイサムの意外なコメディの演技も好評で、楽々1億ドルを突破。
メリッサ・マッカーシーは『ブライズメイズ 史上最悪のウェディングプラン』でブレイクして以来、安定した人気を誇っている。
全米興行収入:1億1083万ドル
全世界興行収入:2億3643万ドル
12位『Trainwreck(原題)』
アメリカの人気女性コメディアン、エイミー・シューマーが脚本・主演を手がけたジャド・アパトー監督の最新作。
下ネタ全開のコメディとしては多くの批評家から好意的に迎えられ、観客からの評価も絶大で、並み居る大作映画の中で1億ドル突破という大健闘をみせた。
全米興行収入:1億1004万ドル
全世界興行収入:1億3833万ドル
13位『トゥモローランド』
ディズニーランドにあるテーマエリア“トゥモローランド”をモチーフにしたSFアドベンチャー大作。
週末ランキングでは首位発進をみせたもののファミリー層の呼び込みはいまひとつで、1億9000万ドルといわれる巨額の製作費が投入された本作は、この夏最も損失を出した作品となった。
全米興行収入:9344万ドル
全世界興行収入:2億864万ドル
14位『ターミネーター:新起動/ジェニシス』
政界から俳優に復帰後、スキャンダルの影響なのか米国内ではなかなか観客に受け入れてもらえないシュワルツェネッガーの勝負作。
公開前から重要なネタバレを明らかにしたのが裏目に出たのか、『ターミネーター』シリーズをもってしても残念ながらシュワルツェネッガーの完全復活には至らなかった…。
全米興行収入:8976万ドル
全世界興行収入:4億4016万ドル
15位『テッド2』
さえない中年男と下品なテディベアのコンビを描いた大ヒットコメディ『テッド』の続編。
セス・マクファーレンが前作につづき、製作・監督・脚本とテッド役(モーションキャプチャと声の出演)を務めた。
アカデミー賞の司会で不評を買ったセス・マクファーレンの凋落ぶりが影響したのか、2億1882万ドルを稼いだ前作の半分以下の興収にとどまり、関係者を失望させた。
全米興行収入:8128万ドル
全世界興行収入:2億1373万ドル