剣が天を裂き怒りが地を震わせた!
出演:アーノルド・シュワルツェネッガー、ジェームズ・アール・ジョーンズ、マックス・フォン・シドー、サンダール・バーグマン、ベン・デイヴィッドスン、マコ岩松
監督:ジョン・ミリアス
脚本:ジョン・ミリアス、オリバー・ストーン
製作:バズ・フェイシャンズ、ラファエラ・デ・ラウレンティス
音楽:ベイジル・ポールドゥリス
全米公開:1982年5月14日
日本公開:1982年7月17日
謎の一団に目に前で両親を惨殺された少年コナンが、奴隷として捕らえられてから復讐を果たすまでを描く一大巨編。
1982年、シュワルツェエネッガーがその勇姿を初めて日本の観客に現したのが、ロバート・E・ハワードのヒロイック・ファンタジー小説を映画化した『コナン・ザ・グレート』で、シュワルツェエネッガー演じるは、もちろんタイトルロールの蛮勇コナン。
製作総指揮はイタリア出身の大物プロデューサー、ディノ・デ・ラウレンティス。監督・脚本はジョン・ミリアス。さらに、共同脚本にはオリバー・ストーン、特殊効果を『エイリアン』のニック・アルダーが手掛けるなど豪華な製作陣が揃った。
「海がアトランティスをのみこんで後、アーリア民族が興るまでの間に、人に知られぬ時代があった。アキロニアの王となるコナンも、この時代に生きかつ苦しんだ1人である。彼の一代記を語れる者はわししかない。わしの魔法で、その昔を再現してみせよう…。」
マコ岩松演じる魔法使いの味わい深い語りと、ベイジル・ポールドゥリスの燃えたぎるような熱いスコアから始まるオープニングタイトルが最高に格好いい。
主人公のコナンは、自由を得るまで奴隷として生きてきただけに無学で俗っぽく、野生そのもので、ありがちなヒーロー像として描かれていない点が面白い。なによりこの頃のシュワルツェエネッガーの肉体には有無を言わさぬ圧倒的な説得力があり、魅力的なキャラクターとして強烈なインパクトを残している。
コナンの復讐相手であるタルサ・ドゥームの怪奇な世界も見事に描かれ、演じるジェームズ・アール・ジョーンズのおかっぱ頭の不気味さも効果的。
CGなどない時代の割にはSFXシーンの見せ方も工夫されていて、シュワルツェエネッガーの寡黙な演技とジョン・ミリアスの抑えた演出により、派手さはないものの重厚で大作感のある作品に仕上がっている。
『コナン・ザ・グレート』の興行成績
1982年5月14日に全米公開された『コナン・ザ・グレート』は、全米興収ランキングで8週連続トップを独走していた『ポーキーズ』を抑えて初登場1位を獲得。
全米トータル興収は3957万ドル(チケット価格のインフレ調整を行うと2014年現在では1億1200万ドル以上)にのぼり、年間17位のヒット作となった。
日本では、全米でのヒットを受けて7月17日に全国公開されたが、暗くてハードな内容が受け入れられなかったのか配収2億2000万円と振るわず、夏休み映画としてはもの足りない成績に終ってしまった。
『コナン・ザ・グレート』オリジナル・サウンドトラック
『ビッグ・ウェンズデー』でもジョン・ミリアスとコンビを組んだベイジル・ポールドゥリスが『コナン・ザ・グレート』の音楽を担当。